ぼっち女子大生の「おひとり様にやさしい世界を」

ぼっちな女子大生の日常をひたすら書き連ねる

「ベクトルが違う」の正しい使い方 〜後編〜

前編

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前編のあらすじ

ある用事を果たすため、男2人、女2人(自分を含む)の男女4人組が電車に乗り、

車内で男性のヌードトランプでババ抜きをした。

 

後編のはじまり、はじまり

ババ抜き自体は、ふみかが「馬場」ふみかだけに「ババ」を引きながら

(この部屋、冷房付いてたっけ?)、微妙に盛り上がっていた。

暫くして、貴教が「俺、喉乾いたわ」と言い出したが、

誰も「俺の水飲む?」や「私のジュース飲む?」と言い出さなかったため、

「(じゃあ、)次の駅で、ダッシュで買ってくる」と言った。

その間、大富豪をやりながら、また微妙に盛り上がった。

そして、次の駅に着きそうな時、貴教は立って、

ドアが開いた瞬間猛ダッシュで駅の自販機に向かった。

でも、自販機は遠かった。少なくとも、私たちからは見える範囲ではなかった。

間に合うか心配だったが、暫くして、冷たいココア(チョイスが可愛い)を片手にダッシュでこっちに戻ってくる貴教が見えた。

我々から見える範囲に来て気が緩んだのか、

貴教が乗り込む前に呆気なく扉は閉まってしまった。

こんなこと言いたくはないが・・・

 

貴教はシンプルにダサかった

 

私たちは何もどーこーできずに焦った貴教の表情と

走りながら魚のようにパクパクして何かを言っている口の動きを見つつ、

次の駅へと発車してしまった。グッバイ、さよなら、貴教くん。

 

この時、ふみかだけが窓の方に寄って何かコミュニケーションを取ろうとしていたが、

良く分からなかったそうだった。

自分はボケーっとしていて、山ちゃんは若干笑ってた。

ちなみに、この時、貴教は財布以外のものは全て電車の中。

貴教のヌードトランプが貴教の代わりに我々を見つめていた。

 

これで貴教との連絡手段はなくなったが、

貴教は乾いた喉を潤すことだけは出来ただろう。

そして、ふみかが「貴教、ケータイ忘れたけど、どうする。ヤバくない?」と心配し、

山ちゃんは「まぁ、なんとかなるっしょ」と適当な感じで、

自分は「一応、駅で待とうよ」と言った。

たったこれだけのセリフにそれぞれの性格が滲み出ているのが面白い。

結局、駅で待つことで合意した。

 

ここからがいよいよ本題の重要な前置きだ。

当時、私は(見た目と雰囲気が)好きな男子がいた。

彼はディーンフジオカと新田真剣佑に似ているため、

藤田(一気にイメージが変わった笑)にする。

藤田君はクールでカッコ良かった。

クール過ぎて、私にとっては男版メドゥーサみたいな存在で、

目が合うとというか、目が合ってなくても、存在だけで私は固まってしまっていた。

藤田君はそんなスーパーパワーの持ち主だったのだ。

ちなみに、藤田君は4人の共通の知り合いである。

 

ここからがようやく本題で、

貴教がカバンを持ち忘れ、ケータイさえもド忘れで

孤独な時間に心を痛めているんだろうと私が思い始めていた頃、

山ちゃんが突如、

ヌードトランプの総勢54名と女子2人の前で童貞カミングアウトをし始めた。

多分、貴教の前では言いにくかったのだろう(貴教は結構恋愛経験豊富)。

「どうしたら、捨てられるんだろう」と割と真剣に悩んでいたため、

ふみかも私も真剣に考えた。

ふみかは「サークルとかでいないの?(好きな子)」や「幼馴染とかは?」などの

健全な解決策を打ち出そうとしていたが、

自分は「飛田新地は?」や「クラブとか、どうかな」というまさかの方向へ飛んでいっていたため、山ちゃんに「プロは嫌だ」と言われた。

 

でもな、山ちゃん、プロをなめたらアカンで。

 

この時、「どうしたら捨てられるか」を聞かれたから、

こういう答え方になってしまったが、正直なところ、どっちでもいいと思った。

経験があろうが、なかろうが、悩むほどのことではないと思う。

30歳までそのままいくと、もれなく魔法使いになれるらしいし。

そして、山ちゃんは自分がモテないことを嘆きながら

女子的にはさ、どっちがいいの?藤田みたいないい加減そうな男と俺みたいな真面目な男。付き合うならどっち?

という、最強に答えにくい質問をしてきた。

「『カレー味のう○こ』と『う○こ味のカレー』、どっちが良い?」と言う甲乙つけ難い質問だったらまだ良い。

「『岡田将生と24時間喋りまくる仕事』と『まりも(緑の藻類の方)に24時間、一方的に話しかけ続ける仕事』どっちに就きたい?」と聞かれるような明らかな質問だったのである。(あ、答えは、勿論、後者ですよ・・・なんちゃって。岡田将生に決まってる)。

この世が嘘を付かなくてもいい世の中なら、

「そ〜んなの、藤田君に決まってんじゃん!笑わせないでよ(笑)

選択肢があるなら、今すぐにでも付き合いたいわよ、あんないい男〜!

(ごめんね、山ちゃん)」

(まぁ、将来的に考えたら、藤田君よりも山ちゃんの方が誠実さは感じられるし、

いいと思うが、あの瞬間にどちらと付き合いたいかと聞かれたら、

「藤田君に決まってんだろ」って話ね。第一、当時好きだったし。仕方があるまい)

と答えたかったが、私はキョロキョロしながら黙ってしまった。

ここで、「山ちゃんだよ❤︎」と嘘を付いて、変に勘違いされても困るし。

そこで、ふみかがこう答えた。

 

 

「そんなのさ、ベクトルが違うんだから、答えられないよ。

藤田君と山ちゃんは違うんだよ、ベクトルが」

 

 

 

私はこの時、初めて数学以外で「ベクトル」という言葉が物凄くしっくりとくる形で

使われているのを聞いた。

なんかこう、初めて寝やすい枕に出会った時のような、そんな感覚になった。

ふみかの名言が物凄く心に響いたし、いつになくふみかが輝いて見えた。

 

そこで、私も

「そ、そ、そ、そうだよ!だってさ、アンジェリーナ・ジョリー佐々木希は比べられないでしょ?」と付け加えたが、

「あ〜、まぁ、でも人種が違うじゃん」

と山ちゃんが痛いとこをついてきた(アレ、逆効果だった?)。

そこで「じゃ、北川景子きゃりーぱみゅぱみゅ!」と言い換えたところ、

「あ、確かに。そりゃ、ベクトルが違うわ。比べられない」と納得してくれた。

私はホッとしたし、私自身も「そうかもしれない」と思えた。と言うか、

異なるベクトルを同じ物差しで比較すること自体が無意味な行為なのかもしれない。

 

そして、ふみかはもう一つ名言を残した。

山ちゃんが、自分がモテない件で、

「なんだろ、俺、自分に自信ないんだよ」と弱音を吐いたら、

ふみかが

「山ちゃんさ、そんな自分に自信がない状態で、

どうやって人に好きになってもらおうって訳?そんなのワガママじゃない?

自分を好きになって、自信持って、それから初めて人が自分のことを好きになってくれんるんでしょ。

だから、自分に自信も持てないような奴がモテる訳ない。

山ちゃん、まずは自分に自信を持ちなさい!」

このビシッと言い切った感じ・・・ふみか様、カッコ良かったなぁ。

ぼっちは、ふみか様に惚れそうだった。

山ちゃんも圧倒されて、「お、おう・・・」みたいになっていた。

 

そして、ちょうど良いタイミングで目的地の駅に着き、

(ここから、脳内でスタンド・バイ・ミーの曲を流して。さぁ、ドゥドゥドゥンドゥン・・・)

我々は永遠に来ない、ココアのために全てを失った男・貴教を待った。

(最後は無事に会えて、ケータイがなくても何とかなることが証明された)。

 

そして今回、私は初めて数学で「ベクトル」を勉強してきたことに感謝した(高校生たち、今の聞いたか。こういうときに無駄だと思っていた数学の知識が役立ってくるんだYO!)。

数学とはほぼ関係なかったが、ベクトルは万能であることが分かった。

最後に皆で・・・

 

 

ベクトル万歳!

 

 

これを機に、私の口癖は「ベクトルが違うんだよぉ〜」になっていったとさ。

 

終わり。